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らいおんはーと 〜 小泉総理のメッセージ2通目

1 :突然ですが名無しです :2004/11/05(金) 19:37 ID:Or5OZTus
前スレ
http://wch.hippy.jp/bbs/test/read.cgi/news/10000029/

2 :突然ですが名無しです :2004/11/12(金) 20:03 ID:DqB3qj7c
● 京都議定書発効へ

 小泉純一郎です。

 11月4日、ロシアが京都議定書の批准を決定し、これで、地球温暖化防
止のために世界が協力していく枠組みを定めた京都議定書が来年2月にも発
効することになりました。

 京都議定書というのは、今から7年前の1997年、日本の京都で開かれ
た地球温暖化防止に関する国際会議で採択された重要な国際約束です。

 地球の平均気温は、この100年の間着実に上昇し、0.4度から0.8
度上がりました。特に最近50年間の上昇カーブは高くなっていますが、そ
の主な原因は、私たち人間の活動に起因すると言われています。

 このまま、地球の気温が上昇を続けると、南極の氷が解けて、海面が上昇
し、太平洋の海抜の低い島国のなかには、水没してしまうおそれがある国も
でてきます。

 地球温暖化の原因は、二酸化炭素やメタンなどの「温室効果ガス」が地球
の周りを取りまいて、地球を温室のように温めているからだと言われていま
す。京都議定書では、先進国が2008年から2012年までの期間に温室
効果ガスの排出を削減することを約束しました。

 日本は、2002年6月に京都議定書を締結しましたが、京都議定書は、
55カ国以上の国が締結し、かつ、締結した先進国の二酸化炭素排出量の合
計が先進国の二酸化炭素排出量の総量の55パーセント以上にならないと効
力を発生しないことになっています。

 私たちの環境を守るために大切な京都議定書が一日も早く発効するように、
これまで、国際会議などのたびに、ロシアのプーチン大統領はじめ各国の首
脳に働きかけてきましたが、今回、ロシアが批准を決定したことで、ようや
くこの議定書が効力を発することになりました。

 しかし、まだ、米国などの温室効果ガスをたくさん排出している国が参加
していませんし、京都議定書でも中国やインドのような途上国には、現時点
では削減義務がかかっていません。これから、こういう国々も地球温暖化防
止のために一緒に協力していけるような仕組みを考えていかなければならな
いと思っています。

 日本は、温室効果ガスの排出を、1990年に比べて6パーセント削減す
る義務があります。しかし、2002年には1990年に比べて7.6パー
セントも増えています。ですから、目標年次までに温室効果ガスを13.6
パーセント削減しなければなりません。

 日本がこの削減約束を達成していくのは、決して容易ではないと思います
が、科学技術の力を借りて、そして、国民の皆さんのご理解とご協力をえて、
削減約束を確実に達成できるように、努力していかなければならないと思っ
ています。

 環境保護を進めると経済発展を阻害するという考え方があります。しかし、
私はそうは思いません。

 30年前、日本が高度成長を続けていたころ、国内では公害が大きな問題
になっていました。当時は、環境保護に配慮すると余分なコストがかかると
考えられていました。ところが、現在では、人々は、多少高くても、環境に
やさしい製品を購入するようになりました。

 環境保護と経済発展は両立するのです。そして、この二つを両立させる鍵
が科学技術なのです。

 11月14日の日曜日に、ちょうど京都の同じ会議場で、科学技術と社会
に関する国際会議が開かれます。私もその会議に出席して講演し、「環境保
護と経済発展は両立する。」という私の考えを世界のリーダーたちに訴えた
いと思います。

 官邸の周りの街路樹も少しずつ色づき始めました。おいしい水、きれいな
空気、安全な食べ物、そして美しい自然を守り、環境保護と経済発展を両立
させられるように、これからもがんばっていきたいと思います。

3 :マリンブルー :2005/02/20(日) 20:33 ID:WE9fiEQY
小泉首相!!これ以上消費税あげないでくれ!!

4 :突然ですが名無しです :2005/05/11(水) 14:48 ID:A/aONWu2
 更新されていないですぅ?

5 :あぼーん :あぼーん
あぼーん

6 :あぼーん :あぼーん
あぼーん

7 :突然ですが名無しです :2006/05/27(土) 19:51:08 ID:RPaVWMFw
● 挑戦の魂を忘れずに

 小泉純一郎です。

 一昨日、ワールドカップ・サッカー日本代表のジーコ監督と宮本選手が、
官邸を訪問されました。

 ジーコ監督は、15日に、日本代表の23人を発表しましたが、数多くの
優秀な選手の中から選ぶというのは、大変だったと思います。

 宮本選手から背番号10のついたユニフォームをいただき、着てみるとぴ
ったり。思ったより厚手の生地でした。

 ワールドカップというと、4年前を思い出します。あの時は、カナダのカ
ナナスキスで開かれたサミットのすぐ後に、横浜でブラジル対ドイツの決勝
戦があったので、サミットに出席していた当時のドイツのシュレーダー首相
が、応援のために日本の政府専用機に私と一緒に乗って、カナダから日本へ
飛んできました。

 今度は日本はブラジルと1次リーグで同じ組。是非、日本は1次リーグを
突破して欲しいものです。

 世界中でサッカーほど熱狂的なスポーツはないと思います。日本はやはり
挑戦、チャレンジが大事です。日本代表のみなさんには、挑戦の魂を忘れな
いで、試合に臨んで欲しいと思います。

 昨日は、来日中のコフィー・アナン国連事務総長と官邸で会談しました。
今年は、日本が国連に加盟して50周年。国連改革、世界情勢、そして、先
日、私がアフリカを訪問した際に表明した日本のアフリカ支援のことなどに
ついて、熱心に話し合いました。

 アナン事務総長は、私が先日訪れた国、ガーナの出身。かの地で黄熱病の
研究に心身を捧げた野口英世博士の話にも花が咲きました。

 世界には、まだ貧困や伝染病に苦しむ人たちがいます。テロの脅威と戦い
ながら、自らの力で自らの国づくりに懸命に努力している人たちがいます。

 私たちは、敗戦後の苦難の時代に国際社会から受けた温かい支援を忘れる
ことなく、戦後60年、自由と民主主義と市場経済の価値を守りながら平和
のうちに発展してきた日本の経験を活かして、世界の平和と繁栄に貢献する
ために、国際社会の有力な一員としてその責任を果たしていかなければなら
ないと思います。

 日本社会には、今、さまざまな不満があります。不平があります。しかし、
今日ほど、日本の歴史の中で、豊かで平和で自由な社会はありません。しか
しまた、今日ほど不平不満の多い時代はないと言っていいほど、あちこちで
不平不満の声が聞かれます。ここが人間社会の難しいところだと思います。

 そういう中でも、日本人として失ってはならないよいものを大切にしなが
ら、やるべきことをやる、やらなければならないことをやっていこうと、苦
しくてもきつくても乗り越えていく、そこに喜びなり生き甲斐を感じる。そ
こがまた人間のよいところではないでしょうか。

 私も挑戦の魂を忘れずに頑張っていきたいと思います。

8 :突然ですが名無しです :2006/05/27(土) 19:51:55 ID:RPaVWMFw
● 北陸視察

 小泉純一郎です。

 先週末、石川県の能登半島と金沢、そして富山県の高岡市を訪ねました。

 3年前の1月、もっとたくさんの人が外国から日本を訪れるようになって
欲しい、日本をもっと多くの外国人が訪れたくなるような国にしていきたい、
そういう思いで、「2010年までに日本を訪れる外国人を倍増させる」と
いう目標を打ち出しました。

 以来、「住んでよし、訪れてよしの国づくり」ということで、全国各地の
観光地で頑張っている方々を「観光カリスマ」としてお願いし、「一地域一
観光」などを進めてもらっています。

 日本には、歴史や伝統、文化、自然など、魅力的なところがたくさんあり
ます。こういうところをわかりやすく紹介すれば、日本人にも外国人にも楽
しんでもらえるのではないか。フランスのシラク大統領もそう言っていまし
た。

 この思いを昨年、河合隼雄文化庁長官に話し、早速、全国の旅の好きな人
などから、これはいいですよというおすすめの旅を公募し、いろいろと提案
してもらったところ、800件近いアイデアが寄せられた。その中からよい
ものを選んで「わたしの旅100選」と題して文化庁が紹介している。いつ
か是非、私自身も訪ねてみたいものだと思っていました。

 今回は、その中でも大賞に選ばれたところを中心に、訪問することができ
ました。

 旅のはじめは輪島市。能登空港ができたおかげで、東京から直行便を利用
して1時間半ほどで行くことができました。市内で、世界に誇る輪島塗とキ
リコというお祭りにかつぐ巨大な灯籠を視察。陶器のことを英語で「チャイ
ナ」ということは知っていましたが、漆や漆器を「ジャパン」ということは
知りませんでした。日本の漆芸、日本の文化、たいしたものです。いい勉強
になりました。

 そして、以前から見てみたかった白米(しろよね)町の千枚田(せんまい
だ)、日本の棚田百選にも選ばれているところです。日本海に面した急斜面
に、地形に沿って階段状に見事に整備された1000枚以上の田んぼ。小さ
なものはたたみ半畳分ぐらいしかありません。その一枚一枚に水が引かれ、
青々とした苗が植えられている。田んぼにはオタマジャクシが泳ぎ、タニシ
もいる。久しぶりに見た懐かしい景色に、なんだか嬉しくなりました。

 景観の美しさもさることながら、急な斜面でもあきらめず、苦労して田ん
ぼを切り開いた先人たちの努力に頭が下がりました。現在は4軒の農家が耕
しているそうですが、大変な作業だと思います。こういう美しいものを私た
ちは守っていかなければならないと思いました。

 その晩は、全国から温泉客を集めている和倉温泉で一泊。最近は台湾から
の観光客も多いそうです。温泉につかり、輪島塗の素晴らしい器に盛られた
海の幸を堪能することができました。

 翌日は、金沢に移動し、旧制四高の校舎だった赤煉瓦の建物にある近代文
学館で、学生時代ここで柔道に明け暮れたという井上靖の作品に思いをはせ、
兼六園、武家屋敷跡、九谷焼の窯元(かまもと)をまわりました。

 高岡市では、土蔵造りの町家、そして江戸時代に北海道と北陸、関西など
の間を結び昆布や反物、米などを運んだ北前船の廻船問屋の屋敷など、歴史
的な建物や街並みを視察しました。

 今回は、いずれも駆け足で見てまわっただけでしたが、見所は盛りだくさ
ん。日本には、観光資源がいっぱい眠っていると実感しました。

 日本中、それぞれの地域にそれぞれいいところがあります。もっとPRす
べきことがたくさんあります。日本の歴史や伝統、文化、自然を大切にしな
がら、日本人にも外国人にも楽しめる、そして地域振興の役に立つ街づくり
を考えていただきたいと思います。

 「街づくりで大切なのは、女性にやさしく、高齢者に安全で、そして外国
人にわかりやすいこと」とおっしゃるのは、木村尚三郎先生。私も、美しく、
やさしく、安全で、わかりやすい国づくりを進めたいと思います。

* 編集部注:小泉総理の北陸視察は、政府インターネットテレビ2CHで
 ご覧になれます。
http://nettv.gov-online.go.jp/

9 :あぼーん :あぼーん
あぼーん

10 :突然ですが名無しです :2006/06/06(火) 12:44:32 ID:bo9pHCB2
● インドネシア大地震と太平洋の島々との協力

 小泉純一郎です。

 27日、インドネシアのジャワ島で大地震が発生しました。犠牲者は既に
5700人を超える大惨事です。犠牲となられた方々のご冥福をお祈りする
とともに、被害に遭われた方々に心からお見舞い申し上げます。

 日本政府は、インドネシア政府の要請を受けて、直ちに医療関係者25人
からなる国際緊急援助隊を現地に派遣し、被災者などの医療活動に当たらせ
る一方、1000万ドルの資金協力、テントや浄水器、発電機など2千万円
相当の緊急支援物資の提供を決めました。これに加えて、自衛隊の医療チー
ムの派遣を中心に支援を行うことを決定し、既に先遣隊を派遣しました。

 世界各国と国連をはじめとする国際機関、民間企業やNGOの方々とも協
力して、政府として、今後ともできる限りの支援を行ってまいります。

 大地震発生の一報を受けたとき、私は、沖縄の名護市で開かれた太平洋・
島サミットに出席中でした。

 太平洋・島サミットは、パプアニューギニアなど太平洋の島々の14の国
と地域、そしてオーストラリア、ニュージーランドと日本が、関係強化と太
平洋地域の発展のために3年毎に開いている首脳会議。私が出席するのは、
3年前の会議以来2回目です。

 参加国の中には、国全体の海抜が数メートルしかなく、地球温暖化のせい
か最近は大潮になると国の一部が海水に沈み、住民がオーストラリアやニュ
ージーランドに避難のために移住し始めている「ツバル」という国がありま
す。

 先々週訪問した能登半島の西岸はじめ日本の海岸でも同じ悩みを抱えてい
ますが、海洋に不法に投棄されたゴミが海岸に押し寄せ、その処理に苦労し
ている国も多いと聞きました。

 窓から海の見える会議場で、サンゴ礁や森林の破壊、地球温暖化などの環
境問題、ゴミ処理の問題、地震や津波などの災害や感染症対策、安定した国
づくりなど、太平洋諸国が直面する課題について、率直に話し合うことがで
きました。

 日本は、このような課題への支援や人の交流、文化交流などを一層進めて、
太平洋の島々の国々との協力関係をさらに強化していく考えです。

 すでに梅雨入りした沖縄でしたが、会議の間はなんとか晴れ間に恵まれま
した。晩餐会終了後、さわやかな潮風に誘われて、会場からホテルまで歩い
て帰りました。夜空に輝く満天の星。久しぶりにゆっくり星を見たような気
がしました。

 沖縄から帰って、月曜日夕方に安保会議を開き、火曜日には、在日米軍再
編に関する日本政府の方針について閣議決定しました。

 日本の安全を確保し、アジア太平洋地域の平和と安定を維持していくため
には、日米安保体制を維持・発展させていくことが重要であることに変わり
はありません。抑止力を維持しつつ、地元の負担を軽減するために、今回は、
特に米軍が使用する施設・区域が集中する沖縄県における要員の削減や基地
の移転、土地の返還をはじめ、岩国、横田、座間などの地域での移転や返還
など、総合的な見直しを行うこととしています。

 地元の理解と協力を得られるよう、これからも地元と密接に協議しながら、
この方針に基づいて着実に進めていきたいと思っております。

 今日から6月、昨年に続き、今年も「クールビズ」、ノーネクタイ、ノー
上着で仕事することにしました。日本の夏は暑いですが、楽な服装にして、
冷房を弱めに設定して、エネルギーを大切にしていきたいですね。

 昨日、沖縄の稲嶺知事から、「かりゆし」ウェアをいただきました。沖縄
では、「かりゆし」はフォーマルな服装として、県議会でも、「かりゆし」
を着るのだそうです。「かりゆし」は、上着の代わりになるものなので、
「かりゆし」の上に上着を着ることはないということも聞きました。

 太平洋・島サミットでも、会議中、「かりゆし」ウェアを着用して、とて
も快適でした。今年もチャンスを見つけて着てみようと思います。

 夏は必ずノーネクタイ、ノー上着にしなくてはいけないというのではあり
ません。ノーネクタイ、ノー上着でもよいですよ、ということです。みなさ
んも、その時々にふさわしい服装を各自で考え、自由に夏のファッションを
楽しんで、温暖化対策にも役立てていただければよいと思います。

* 編集部注:政府インターネットテレビでは、2CHで太平洋・島サミッ
 トの様子を、11CHでクールビズの紹介をしています。是非ごらんくだ
 さい。
http://nettv.gov-online.go.jp/

11 :あぼーん :あぼーん
あぼーん

12 :あぼーん :あぼーん
あぼーん

13 :突然ですが名無しです :2006/06/18(日) 19:32:12 ID:hHzAiX3I
● 野口英世博士のふるさと

 小泉純一郎です。

 先週末、野口英世博士のふるさと、会津を訪問しました。北陸、沖縄と続
いて、3週連続しての国内出張になりました。

 金曜日の夜7時に東京を出発し、会津の奥座敷と呼ばれる東山温泉の伝統
ある日本旅館に夜遅く到着。翌朝、会津西街道の宿場町として栄えた大内宿
を訪ねました。

 ここは、伝統的な建物の保存地区に選定されたのをきっかけに、かやぶき
屋根をきれいにふき替え、電柱をとりはらい、舗装をけずって砂利道にして、
かつての景観をとりもどしたとのこと。

 昔の景観を復元し、外国人をはじめ観光客が急増している。会津の人は知
恵があると思います。

 会津若松に戻って、室町時代から続く庭園でたくさんの薬草を栽培してい
る御薬園で昼食。白虎隊の隊士たちが自刃した飯盛山に登った後、猪苗代町
にある野口英世記念館を訪れました。

 先月ガーナで会談したクフォー大統領も、日本に来たときに、ここを訪れ
たことがあるそうです。私は行ったことがなかったので、それ以来、是非一
度訪ねてみたいと思っていました。

 記念館には、博士の生家が多くの遺品とともに保存されており、子供の頃
にやけどを負ったという囲炉裏や読んでいた書や机、お母様の手紙などを拝
見し、改めて野口英世博士の偉大さに感銘を受けました。

 博士の没後、福島県の方々や野口英世博士の関係者の方々は、記念館を建
て、永年にわたって野口英世記念医学賞を続けています。これは非常に貴重
なことだと思います。

 アフリカの医学、医療に貢献した方々を表彰するため野口英世博士にちな
んだ賞を創設することは、既にこのメールマガジンでもお話ししましたが、
ノーベル賞を超えることは僭越と思いますので、ノーベル賞に匹敵するよう
な賞にしたいと思います。

 今から2年後の2008年は、博士が亡くなってから80周年に当たりま
す。ちょうどこの年には、5年に1回のアフリカ開発会議(TICAD)が
東京で開かれ、アフリカ各国の首脳のみなさんが集まりますので、このとき
に第1回の授賞式ができるようにしたいと考えています。

 野口英世博士の志を継いで、アフリカ・世界の医療の向上と保健の増進の
ために、日本としてもできる限り努力していく考えです。

* 編集部注:小泉総理の福島県視察は、政府インターネットテレビ2CH
 でご覧になれます。
http://nettv.gov-online.go.jp/

14 :突然ですが名無しです :2006/06/18(日) 19:33:43 ID:hHzAiX3I
● 「らいおんインタビュー」(前編)

【創刊5周年を迎えて】

(インタビュアー)
―――  よろしくお願いいたします。メルマガも、もう5周年ですね。

(小泉総理)
 よく続いていますね。依然として160万部以上出ているのですから大し
たものです。ありがたいことですね。100万部出ている週刊誌、月刊誌と
いうのは、そんなにないでしょう。みなさんのおかげです。

【サッカーW杯】

―――  12日のサッカーW杯、日本とオーストラリア戦はごらんになり
    ましたか。

 見ましたよ。最初から緊張して見ていて、自分でわかるんですね。いすに
座っていながら力が入ったり、手を握りしめたり、それで最後にこれは勝っ
たかなと思った途端でしょう。3点ダッと入れられてしまって。残念でした。
本当に、残念でした。

 サッカーの勝ち負けは紙一重。強いシュートが入らない場合もあるし、軽
いシュートが入る場合もある。最後まで気を抜けないと実感しました。

 ゴールキーパーの川口選手もよくしのいでいたし、10番の中村選手がゴ
ールを入れたから、よかったなと思っていたんですけれども。最後のところ
でちょっとあけてしまったところを、うまく突かれましたね。

―――  ジーコ監督とお会いになってユニフォームをもらわれましたね。
    もしかして、あれを着て応援なさったんですか。

 いや、いや、着てはいませんでした。でも、そばに置くというか、かけて
ありますよ。

―――  きっと日本中が12日の試合を残念に思っていると思いますが、
    総理の視点で次回なり今回の試合を総括していただけますか。

 気分を切り換えて、勝負は勝つときもあれば負けるときもあるんですから、
くよくよしないでやることです。WBCの野球だってそうでした。1、2戦
は負けて3戦目に勝ったんですから。開き直ってやればいいんですよ。勝敗
は時の運。持てる力を全部出して頑張ればいいんです。

―――  サッカーはよくごらんになるんですか。

 最近はよく見ていますよ。日本戦以外の試合も見ています。たくさん見て
いると、いい試合かどうかわかります。日本チーム以外もみんな強豪でしょ
う。いい試合は日本の選手が出なくても面白いですよ。

 野球にしても、ゴルフにしても、格闘技にしても、スポーツは面白いです
ね。WBCのときも熱が入りましたね。イチロー選手を始め、韓国の選手、
またキューバの選手、最後までハラハラどきどき見ていました。

【国内視察】

―――  最近は、3週連続、休み返上で福島、沖縄、北陸といらっしゃい
    ましたが、何か印象的な思い出はありますか。

 どこも印象的でしたよ。「わたしの旅百選」といって、ここに行けば日本
の歴史とか文化とか伝統に触れながら旅を楽しめますよというところ、国民
に知ってもらいたい日本のいいところ約100件を選びました。旅行関係者、
旅に関する有識者、旅行好きの皆さん、そういう方々から1,000件近く
いただいた応募の中から選んだものです。

15 :突然ですが名無しです :2006/06/18(日) 19:34:18 ID:hHzAiX3I
 最初に行ったのが、百選のベストワンに選ばれた能登や、金沢、高岡。温
泉もいいし、九谷焼とか輪島塗、更には名園と言われる兼六園、みんないい
ところでした。

 百選に選ばれたものだけでなく、応募してくれたものはみんな文化庁に照
会すればすぐ出してもらえます。1日で日帰りできるところ、あるいは2、
3日旅行できる人、何回も繰り返して2、3年がかりで回ってもいいという
人、いろんな旅のスタイルに合うように選んでいます。

 実は、これは、フランスのシラク大統領から示唆を受けました。シラク大
統領が日本を訪問されたときに、その話が出たんです。

 日本人は、今、年間約1,600万人外国へ出かけていきますが、外国の
皆さんは、日本に600万人ぐらいしか来てくれない。パリだけで年間
5,000万人の人々が世界から来ているそうです。日本の10倍ですよ。

 だから、日本にももっと多くの外国人に来てもらいたいのですけれども、
私が、「海外からの、観光客受入数が世界トップのフランスの大統領として
何かいい知恵はないか」と聞いたら、「日本にはいっぱいいいところがある
じゃないか」と言われました。「第一に、食事がおいしい、寿司だけじゃな
い。食事がおいしいことは、旅の一番の楽しみなんだ」と。

 シラク大統領は、日本に50回も来ているそうです。世界の首脳で日本に
50回も来ている首脳はいないですよ。シラク大統領は相撲が好きだけれど
も、相撲だけではなくて縄文文化、弥生文化から江戸時代から、何しろ私よ
りも日本の歴史をよく知っているんです。

 そんなシラク大統領のアドバイスは、「日本だって歴史、伝統、外国とは
違ったいいものがたくさんある。だから、そういう外国にない日本の良さを
発信すべきだ」と。「その発信が足りない。だから、日本人も知らないので
はないか」ということでした。

 そうかと思って、早速、河合文化庁長官にシラク大統領の話を紹介して、
「みんな旅好きなんだから、外国人に来てもらうためだけではなくて、日本
人だって楽しめるような、旅をしながら日本の歴史、文化、伝統に触れるよ
うな、どういういい地域があるか公募してみて下さい」と、それで選んでも
らったのが「わたしの旅百選」です。

 全部は行けないけれども、月1回ぐらいは時間を見つけて、旅を楽しみが
てら、地域振興に役立てばと思って行ったんです。

2回目は福島の会津、野口英世記念館。先日アフリカのガーナを訪ねたと
き、野口英世賞を考えたでしょう。今、野口英世賞という賞が日本にはあり
ますが、これは日本の医学者に与える賞なんです。

 アフリカで病気に悩んでいる人はたくさんいる。世界の中でもね、一番病
気や困難を抱えている地域ですね。野口英世博士もノーベル賞の候補になり
ましたが、ノーベル賞を受賞するまでには至らなかった。

16 :突然ですが名無しです :2006/06/18(日) 19:34:28 ID:hHzAiX3I
 日本は、ノーベル賞を取ることばかり考えないで、少しは世界に与えるよ
うな賞を考えてもいいのではないか、アフリカの病気と闘っている人たち、
医療研究者、医療従事者、この人たちにノーベル賞に匹敵するような賞を考
えてみようということで、ガーナのクフォー大統領に相談したら、これは大
賛成だと。

 アフリカの医療に貢献している人を対象にして、ただし、受賞者はアフリ
カの人には限らない。アメリカ人でも、ヨーロッパ人でも、アジア人でも、
日本人でもいいと。アフリカの医療に尽力している人たちを対象にノーベル
賞級の賞を考えようと。

 ガーナでは野口記念研究室もちゃんと保存してくれて、当時使っていた顕
微鏡や胸像までありました。クフォー大統領から、「私は日本の野口記念館
に行ったんだけれども、あなたは行ったことはあるのか」と言われましたが、
日本の記念館には行ったことがなかったんです。これはまずいと思って、そ
れで記念館を訪問がてら、会津のいいところを回ってきたんです。

 アフリカ53カ国が集まったアフリカ連合(AU)、その委員長のコナレ
さんが近く日本を訪問します。コナレさんもこの話は大賛成です。まず日本
が原案をつくって、そして、AUのコナレ委員長、クフォー大統領の賛同を
得て、2008年に第1回の授賞式をやろうと。というのは、2008年と
いうのは野口英世博士がガーナで亡くなってから、ちょうど死後80周年に
当たります。しかも2008年は第4回のTICADが東京で開かれる。

 TICADは、アフリカ開発会議のことで、5年に1回開催しています。
アフリカの首脳が日本に集まる。そのときにこの授賞式をやると。5年に1
回でいいと。

 ノーベル賞は、複数あっても受賞者に対して大体1億から2億円なんです。
ノーベル賞を超える額を考えるとちょっと僭越だし、金額だけの問題ではな
いから、敬意を表して、ノーベル賞を超えない程度に、ノーベル賞に匹敵す
る賞を考えています。今、たたき台をつくっていますが、私は寄附が集まる
と思います。

※ らいおんインタビューの様子
http://www.kantei.go.jp/jp/m-magazine/backnumber/2006/0615a.html

17 :突然ですが名無しです :2006/06/22(木) 14:25:21 ID:5koJQIfQ
● 「らいおんインタビュー」(後編)

【クールビズ】

(インタビュアー)
―――  今日もクールビズのすてきなピンクのシャツですけれども、2年
    目になって、もう慣れましたか。

(小泉総理)
 そうですね。一度ネクタイを外すと、ネクタイをするのが嫌になってしま
います。

―――  お客様が来られたときはネクタイをつけると以前おっしゃってい
    ましたね。

 外国首脳がネクタイをしてほしいというときには、それに合わせてネクタ
イをします。ネクタイをしないことで「失礼だな」と思われるのもまずいで
すし、ネクタイをすることは1つの正装というか、相手に礼を失しないとい
う考え方があるでしょう。

 相手が来られる前に、「今、日本はクールビズの期間ですけれども、よか
ったら軽装でいかがですか、ネクタイを好まれるんだったらネクタイをして
もいいですよ」と伺って、相手に合わせて、ノーネクタイでいいという人は
ノーネクタイ、ネクタイをしてほしいという人はネクタイをして、お迎えし
ます。

―――  シャツは、ご自分で選ばれるんですか。

 選んでくれたものを着ています。

―――  あまり好みはないんですか。

 そうですね、そんなに派手でなければいい。あまり目立たない、普通のク
ールビズ、ノーネクタイならいいです。

【これからの課題】

―――  先週で国会も終了しましたが、今国会をふり返ってどうでしたか。

 今国会は行政改革推進法案。これは、「民間にできることは民間に」、
「地方にできることは地方に」という行革の理念、方針を示したものです。
郵政民営化が去年実現して、これからも引き続き行政改革を進めていかなけ
ればならないでしょう。これから先の進むべき道を示した法律です。

―――  今後の課題については、どうですか。

 今後の課題はやはり財政再建もあるし、景気の回復、デフレの克服、これ
らは誰が政権を取っても、どの政党が政権を担当しても避けられない大きな
課題ですね。

―――  本当に借金大国になっていますものね。

 どんな施策をするにしても、財源がないとできない。

 歳出を切ろうという総論はみんな賛成ですけれど、自分の関係するところ
は予算を切らないで、よそのところを切ってくれというのが人情でしょう。
だから、「増税は嫌だ」という大合唱になっても、無駄があるから歳出をカ
ットしろといったって、自分に関係のあるところは無駄じゃないとみんな思
っていますから、歳出カットがなかなかできないのです。

 これを理解してもらいながら進めていくことは、これからもっと難しくな
ります。今まで削りに削ってきたから、もう削るのをやめてくれという声が
出ています。歳出カットが嫌なら増税しかないんですよと言うと、増税は嫌
だと。これはどの政党が政権をとってもこれから逃げることはできないです
ね。

―――  財政再建に対して総理が5年間やってきたことというのは、やは
    り歳出カットをされたということですか。

 増税もしないで予算も増やさないで、できるだけ無駄な部分をカットして
いこうと頑張ってきました。そうじゃないと、どんどん借金を増やすか、増
税をせざるを得ませんから。

 しかし、そういう中にあっても、将来の日本にとって大切な社会保障と科
学技術予算は増やす。メリハリをつけてやってきました。

 増税だけに走れば財政再建はできますけれども、全体の経済、景気をダウ
ンさせてはいけない。両方の目配りをしなければいけません。これはなかな
か政治経済の難しいところなんです。理論だけではうまくいかないんです。

 学者から見れば財政再建のためには増税をしなさい、消費税を上げないの
は無責任だと言うけれども、国民一般感情はそうではないでしょうね。経済
全体をにらんでいかなければなりません。

 普通だったら予算を増やさないと、公共事業を増やさないと景気が悪くな
ります。総理就任したときは、この不景気に不良債権処理を進めたら、ます
ます企業は倒産しますよ、失業者は出ますよと言われました。

 しかし、5年間不良債権処理を進めてきました。「公共事業を増やせ」と
いう声を抑えて、これを減らして、景気が回復してきました。しかも税収も
見積りより多くあがってきている。ここが経済の難しいところであり、さま
ざまな意見の中でどの道を選択するかが難しいところなんです。

18 :突然ですが名無しです :2006/06/22(木) 14:26:08 ID:5koJQIfQ
【食育】

―――  ところで、今月は食育月間です。スローガンは、「みんなで毎日
    朝ご飯」。こういうことは大事だと思いますけれども。

 特に子どもには大事なことですね。しっかりと朝ご飯を親と一緒に食べる、
家族と食べる。エネルギー源ですから。

 今、太り過ぎを警戒する人もいますけれども、子どもはやはりしっかりご
飯を食べなければ、活動の源泉ですから。食の重要性というものは、これか
らますます強調していかないといけません。薬があるからいいんだとか、補
助食品があるから、栄養食品があるから、それで済まそうというのではなく、
基本的には食べる。いい素材をバランスよく、手料理を家族につくってもら
って食べる。それがやはり健康の基本ですからね。

 学校や企業の中でも朝ご飯を食べない人が多いから、朝の食事も用意する
ところができたと聞きましたが、これはいいことですね。

―――  総理は食べていらっしゃいますか。

 朝は軽いですね。ココアと果物ぐらいです。

――― メルマガ読者へ食についてのアドバイスは何かございますか。

 今は、食や健康についての情報がたくさんありすぎて、自分はどうしたら
いいのか迷うかもしれませんけれども、基本は、よく食べて、適当に運動し
て、十分休養をとるという三原則。

 それでも体が悪くなったらお医者さんへ行くとか、薬を飲むのはいいです
けれど、この三原則をしないで、忙しい、忙しいと働くと病気になってしま
います。

 食生活、適度の運動、十分な休養、この三原則があって初めていい仕事も
できる。暴飲暴食をしたり、薬があるからいいんだとか、お医者さんに診て
もらえばいいんだとか、そういうことではなくて、普段の生活ですね。

 読者の方々も、まず健康に勝る財産なし、正しい食生活、適度の運動、十
分な休養、これを忘れないで、あまりくよくよ考えずに頑張っていただきた
いと思います。

―――  総理はお忙しくて、なかなか休養はとれないのではないですか。

 休養はとるようにしていますよ。できるだけ土日は休養をとるように心が
けています。寝だめはできますから(笑)。これは大事ですよ。

 休養というのは、免疫力を付けるんです。人間の中には、自分で治す自然
治癒力がありますから、その自然治癒力を高めるためには、食生活、休養、
適度な運動が大事なのです。それにできるだけ心がけてきたから、あまり病
気もせず、この5年間もったのかなと思っています。

 人間だれだって悩みがありますから、くよくよしたってしようがない。

19 :突然ですが名無しです :2006/06/22(木) 14:26:51 ID:5koJQIfQ
【メルマガの5年間をふり返って】

―――  5年間やっていらして、思い出に残ることは。

 毎週、毎週、時間がたつのが早いなと、またメルマガの日か、とやってい
るうちに日が過ぎてしまいました。5年間もあっという間ですね。

―――  メルマガを続けてこられて、国民との対話が進んだという手ごた
    えをしっかり感じていらっしゃいますか。

 そうですね。これだけ続いているということは、読んでくださる方がそれ
だけいるということで張り合いが出ますね。メルマガという一つのコミュニ
ケーション手段は、やはり今の時代に合ったのでしょうか。

 毎週、メルマガを熱心に読んでくれている読者のみなさんに、できるだけ
わかりやすい話をしようと思って心がけているんです。これからもメルマガ
を通じて、内閣の政策をわかりやすく工夫しながら話ししていきたいと思い
ます。応援よろしくお願いいたします。

―――  ありがとうございました。

 ありがとうございました。

※ らいおんインタビューの様子
http://www.kantei.go.jp/jp/m-magazine/backnumber/2006/0615a.html

* 小泉総理記者会見(官邸ホームページ)
・ イラク派遣の自衛隊撤収等
http://www.kantei.go.jp/jp/koizumispeech/2006/06/20kaiken.html

・ 第164回通常国会終了を受けて
http://www.kantei.go.jp/jp/koizumispeech/2006/06/19kaiken.html

* 小泉総理の記者会見の様子は、政府インターネットテレビ3CHでご覧
 になれます。
http://nettv.gov-online.go.jp/

20 :突然ですが名無しです :2006/06/22(木) 14:28:01 ID:5koJQIfQ
● イラク派遣自衛隊撤収決定

 小泉純一郎です。

 20日、政府は、イラクのサマーワ地域に派遣している陸上自衛隊の部隊
を撤収させることを決定しました。

 イラク人自身によるイラクの政府が立ち上げられたこと、陸上自衛隊の諸
君が活動をしているイラクのムサンナー県の地域の治安の権限がイラクの新
政府に移譲されたこと、さらに、米国をはじめ多国籍軍、そしてイギリス、
オーストラリアなどと緊密に協議した結果、サマーワ地域における日本の陸
上自衛隊による人道支援、復興支援活動が一定の役割を果たしたと判断をし
た結果、撤収することを決定いたしました。

 陸上自衛隊の部隊の撤収後も、航空自衛隊の部隊は、国連と多国籍軍への
支援を行うための活動を継続します。そして、自衛隊の行う人的貢献ととも
に「車の両輪」として進めてきたODAによるイラク復興のための支援も、
米国はじめ世界各国、国連、そしてイラク政府と密接に協力して、今後とも
進めてまいります。

 自衛隊は、サマーワ地域で、給水活動、医療活動、学校・道路改修事業な
どの支援活動を行い、イラク市民の生活基盤の復旧と復興に大きな役割を果
たすことができたと思います。イラク政府からも、住民からも、高い評価と
信頼を受け、感謝のうちに撤収することができるということは、大変良かっ
たと思います。

 自衛隊の諸君一人ひとりが、日本国民の善意を実行する部隊なんだ、とい
う強い自覚の下に、それぞれが汗を流して厳しい環境の下で活躍してくれた
おかげであり、私は、自衛隊諸君に対して、心からの敬意と感謝を表明した
いと思います。

 自衛隊の活動が円滑になされるように、様々な配慮をしていただいたイラ
ク政府、住民、そしてアメリカ、多国籍軍、イギリス軍、オーストラリア軍、
そしてオランダ軍、それぞれの政府、国民に対し、厚く御礼を申し上げます。

 現在イラクでは、イラク人が、自らの力によって、イラク人自身による国
づくりに努力しています。この努力に対して、日本として何ができるのか。
日本は、各国と、そして国連とも協力しながら、イラクの必要な国づくりに
できるだけの支援を続けていきたいと思います。

 将来、イラクが安定した政府をつくり上げたときに、イラク国民が一番苦
しいときに、日本の政府も国民も自分たちの国づくりに手を貸してくれたん
だなと評価されるように。

 国民みなさまのご理解、ご支援を今後ともよろしくお願いいたします。


※ 小泉内閣メルマガは、6月14日で創刊5周年を迎えました。これを記
 念して編集部が行った小泉総理へのインタビューの模様をお伝えします。

21 :突然ですが名無しです :2006/06/29(木) 17:05:59 ID:j4xz4.Ug
● 北米訪問

 小泉純一郎です。

 一昨日東京を出発して、カナダの首都オタワに来ています。昨日は、途中
トロントに立ち寄り、アメリカとカナダの国境を流れるナイアガラの滝を見
ました。以前、アフリカのジンバブエに出張した際にビクトリアの滝を見た
ことがありますが、世界の三大滝と言われるとおり迫力のある雄大な滝でし
た。日本各地には多くの滝がありますが、あれだけの大きい滝は見当たりま
せん。世界中の観光客をひきつけるのもうなづけます。

 今日は、これからハーパー首相との首脳会談を行い、夕方にはアメリカの
ワシントンに入ります。明日は、朝早くからブッシュ大統領との首脳会談、
夕方には晩餐会などが予定されています。

 両首脳とは、日本とカナダ、日本とアメリカの二国間関係だけでなく、世
界の平和と発展、テロ、感染症など幅広い話題について、話し合うことにし
ています。

 出発前日の26日の月曜日、国と地方の財政を健全化するための歳出・歳
入一体改革を決定しました。

 日本経済が発展していくためには、財政の健全化と経済成長戦略を車の両
輪として進めていかなければなりません。これまでも随分歳出の削減を続け
てきましたから、これからさらに削っていくことは大変だと思います。しか
し、「改革なくして成長なし」、改革を続けていくことによってしか日本の
再生と発展はありません。

 遅くともサミットが始まる前の7月中旬までに、歳出・歳入一体改革と経
済成長戦略を盛りこんだ方針を「骨太の方針」として閣議決定することにし
ています。

 先週末から、九州、四国地方を中心に大雨が続き、各地で被害が発生しま
した。警戒を強め、政府一体となって対策に万全を期すよう指示して出発し
ました。みなさんも気持ちを引き締めて、備えを怠らないようにしていただ
きたいと思います。

22 :突然ですが名無しです :2006/07/06(木) 10:31:57 ID:Ei2qVm7A
● 北朝鮮のミサイル発射に抗議/世界の中の日米同盟

 小泉純一郎です。

 昨日未明より、北朝鮮は数回にわたって弾道ミサイルと見られる飛翔体を
発射しました。

 日本を含む関係各国による事前の警告にもかかわらず発射を強行したこと
は、日本の安全保障と国際社会の平和と安定、さらには大量破壊兵器の不拡
散という観点から重大な問題であり、日朝平壌宣言に反する疑いもあります。

 わが国は、直ちに北朝鮮に対して厳重に抗議しました。さらに、北朝鮮が
ミサイル発射凍結を改めて確認し、これを実行するとともに、六者会合に早
期にかつ無条件に復帰することを強く求めます。

 政府は、北朝鮮に対し、万景峰号の入港禁止措置をはじめとする制裁措置
をとることを決定しました。日本は、日米同盟に基づくアメリカとの協力を
はじめ、六者会合参加国を含む関係国との連携をさらに進めるとともに、国
連安保理事会においてしかるべき対処がなされるよう働きかけます。

 先週は、カナダの首都オタワを訪問し、28日、ハーパー首相と日加両国
の経済関係の拡大に向けた協力や、北朝鮮の問題、G8サミットなど国際社
会において日本とカナダが協力すべき課題について話し合いました。今年の
2月に政権についたハーパー首相とは、初めての会談でしたが、じっくり話
し合うことができました。

 その日の午後にワシントンに入り、翌29日、ホワイトハウスでの歓迎式
典に続いて、ブッシュ大統領と会談しました。

 在日米軍再編の問題などの二国間関係のみならず、テロとの闘い、イラク
及びアフガニスタンの復興支援、北朝鮮の核、ミサイルと拉致の問題、イラ
ンの核開発、国連改革、エネルギーと環境の問題、貧困や疾病対策など、議
論は世界の平和と安全などに関する幅広い話題にわたりました。

 北朝鮮の問題については、時間をかけて議論しました。ブッシュ大統領は、
拉致被害者家族の横田早紀江さんとの面会について、感銘を受けたと話して
いました。自分の子供がそのような被害に遭うことを考えれば、横田さんの
悲しみは、日米両国の誰もが共有するものです。

 戦後60年間にわたって、日本は日米関係を重視してきました。そして、
日米関係の重要性を認識しつつ、国際協調を維持してきました。これは、第
二次世界大戦の教訓を踏まえて、それが最良の選択であると考えてきたから
です。

 これは、日本の外交政策の基本であり、今後も変わることはありません。

 日米関係が良好でなくなった場合、それを他の国で補うべきだとの意見が
ありますが、私はそのような意見には与しません。日米関係が良好であれば
あるほど、中国、韓国をはじめとするアジアの国々との関係も良好になると
いうのが私の考えです。

 一部に誤解があるようですが、日米関係さえよければ他の国との関係はど
うなってもよいなどとは決して言っていません。日米関係ほど重要な関係は
ないと言っているのです。

 戦後、日本はめざましい成長と発展を達成しましたが、それは戦争の教訓
から反省し、日米関係を重視して、国際協調体制を築いてきたからこそ実現
できたことです。世界の中の日米同盟を強化し、発展させ、世界が直面する
さまざまな課題の解決に向けて、世界各国と協力していきたいと思います。

 その日の夕方、ホワイトハウスで開かれた晩餐会で、私は、次のような挨
拶をしました。

 『私は、ちょうど5年前の2001年6月30日に、初めて大統領にお会
 いしました。会談後、キャンプ・デービッドの森の中で大統領とキャッチ
 ボールをして以来、大統領とは心と心が通いあう友人として、日米友好関
 係を育み、様々な課題に同盟国として協力して取り組んでまいりました。

  大統領とのキャッチボールのおかげで、2年前の9月のヤンキー・スタ
 ジアムにおける始球式に自信を持って臨むことができました。アメリカの
 新聞USAトゥディ紙は「ほぼ完璧なストライク」と報じています。

  大統領は、よく、第二次世界大戦中に敵対関係にあった日米両国が、今
 日では、自由と民主主義の大国として、世界において最も緊密な同盟国と
 なったことを紹介されます。

23 :突然ですが名無しです :2006/07/06(木) 10:34:55 ID:Ei2qVm7A
  第二次世界大戦終結から数カ月しか経っていない1946年の正月、昭
 和天皇は、
  「降り積もる 深雪(みゆき)に耐えて色変えぬ
                    松ぞ雄々しき 人もかくあれ」
 との御製(ぎょせい)を詠まれました。

  日本が焦土と化し、全国民が敗戦に打ちひしがれているときに、おそら
 く皇居の松を見ながら詠まれたのでしょう。降り積もる深い雪に、多くの
 木は葉が落ちて色も変えている。その中で松は全く衰えず色を変えていな
 い。人もこうあって欲しい、と詠まれたのだと思います。日本の歴史の中
 で最も困難なときに、昭和天皇はこの歌を詠んで国民を励まされたのです。

  それ以来、日本国民は、まさにこの心意気で、自助と自律の努力を重ね
 てきました。しかし、同時に、戦後の日本の目覚ましい発展が、終戦直後
 のアメリカの寛大な支援に負うところが大きいということを日本は忘れて
 いません。

  戦争中、日本国民は、アメリカ人を鬼のようにおそれ、憎むように教育
 されていました。しかし、目の前に現れたアメリカ人は、実は大変温かい
 心の持ち主でした。日本国民は、アメリカとアメリカ人の懐の深さに驚く
 と同時に深い感謝の念を抱いています。

  かつて南北戦争がまさに終わろうとする1865年3月、リンカーン大
 統領は2期目の就任演説で、
  「悪意を何人に対しても抱かず、共感の心をすべての人々に持ち、・・・
  国の傷をいやし、・・・我々の間だけでなく、全ての国々との間におい
  て、公正かつ永続的な平和を達成し育んでいくために、あらゆる努力を
  払う。」
 と述べました。

  このようなアメリカの心こそが、日本人の心を力づけ、日本の復興を可
 能にし、日米間の確固たる友好関係の礎を築いたのだと思います。

  一度は戦火を交えた両国が、今、共通の価値観に基づき、友人として、
 同盟国として、世界の様々な課題に協力しながら取り組んでいるのは、本
 当にすばらしいことです。

  2001年9月11日の同時多発テロは、アメリカのみに対する攻撃で
 はなく、人間の尊厳や自由を尊重する人類全体に対する挑戦でした。テロ
 や大量破壊兵器の拡散は、私たちの生活を脅かすものです。私は、自由と
 民主主義をまもるために日々毅然として立ち向かうブッシュ大統領に心か
 ら敬意を表します。

  私は、若い頃見た映画「真昼の決闘」の中で、たった一人で、正義のた
 めに勇気を持って、4人の無法者に立ち向かうゲーリー・クーパーの姿に、
 アメリカを重ね合わせることがあります。しかし、あの保安官ゲーリー・
 クーパーとアメリカの間には大きな違いがあります。アメリカは一人で悪
 に立ち向かっているわけではありません。常に同盟国、友好国とともにあ
 ります。そして日本はアメリカとともにあるのです。

  私は、大統領とともに、日米同盟の重要性を認識し、同時に世界の国々
 や国連等とも協調しております。今後とも、テロとの闘い、アフガニスタ
 ン及びイラクの民主化と復興、貧困の撲滅、大規模災害への対応など幅広
 い分野でアメリカとの協力関係を一層発展させていきたいと思います。

  私は、明日、大統領夫妻とともに、エルビス・プレスリーの故郷である
 メンフィスを訪問します。若い頃の私にとって、アメリカといえばプレス
 リーであり、まさに青春の思い出そのものです。私が初めて覚えた英語の
 歌は、エルビスの「I want you, I need you, I love you」でした。

  私は、今後とも、基本的な価値と利益を共有する日米両国が、「I want
 you, I need you, I love you」の言葉のように、お互いにとってなくて
 はならない存在として、世界の平和と繁栄のために協力し、ますます発展
 していくことを祈念しつつ、皆さまとともに杯をあげたいと思います。

  乾杯。』

 翌日訪れたテネシー州メンフィスでは、エルビス・プレスリーの元夫人プ
リシラさん、お嬢さんのリサ・マリさんに出迎えていただき、グレースラン
ドで大スターゆかりの品々を時が経つのも忘れて拝見しました。ブッシュ大
統領ご夫妻をはじめ歓迎してくださったアメリカのみなさんに心から感謝い
たします。

 メンフィスは、アメリカ公民権運動の父、「I have a dream」という有名
な演説をしたマーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師が暗殺された地
でもあります。暗殺された場所をそのまま遺した国立公民権博物館も視察し
ました。

24 :突然ですが名無しです :2006/07/13(木) 12:18:55 ID:ivsCY..w
● 中東訪問

 小泉純一郎です。

 11日に東京を出発し、イスラエルのエルサレムに到着しました。エルサ
レムを訪れるのは初めてですが、ここは、ユダヤ教、キリスト教、そしてイ
スラム教の聖地が集まる歴史ある街。夕方、ホテルのバルコニーから、石造
りの建物が豊かな緑と調和する美しい街並を見渡すと、どこからか、様々な
宗教の夕べの祈りの声が聞こえてくるような気がしました。

 昨日は、朝早く、ヤド・ヴァシェムというナチスによって虐殺されたユダ
ヤ人犠牲者のホロコースト記念館を訪れました。平和の大切さと二度とこの
ような悲惨なことを起こしてはならないという思いを強く抱きつつ、献花し
ました。

 ここには、当時、リトアニアの副領事としてユダヤ人が国外に脱出するの
に必要なビザを出し続けた杉原千畝さんを記念した樹が植えられていました。

 この日は、イスラエル北部で、レバノンにあるヒズボラ勢力からの攻撃が
あり、緊迫した情勢でしたが、イスラエルのオルメルト首相との会談は、予
定通り行いました。

 日本とイスラエルの二国間の協力関係だけでなく、北朝鮮のミサイルの問
題、イランの核の問題を含む、中東、そして世界の平和と安定について率直
に話し合いました。

 日本のできることは限られていますが、中東の平和と繁栄のために、他の
国とは異なる独自の協力ができると思います。私は、この地域の生活レベル
の向上などを通じて地域の平和と安定に貢献する「平和と繁栄の回廊」構想
を提案し、日本とイスラエル、パレスチナ、ヨルダンの4者で協議を始める
ことで合意しました。

 今日は、パレスチナのアッバース大統領と会談し、パレスチナの発展に対
する日本の支援と、中東和平の促進について話し合う予定です。

 その後、海に面するアカバという街に滞在中のヨルダンのアブドッラー国
王とバヒート首相を訪ね、日本とヨルダンとの二国間関係、中東情勢を含む
世界情勢などについて会談することにしています。

 15日からは、ロシア第二の都市、サンクトペテルブルクで開かれるG8
サミットに出席します。ロシアでのサミット開催は今回が初めて。私にとっ
ては、6回目、そして最後のサミットへの参加になりますが、テロ対策、環
境と経済の両立、エネルギー、北朝鮮問題など、様々な議題について議論が
行われることになります。

 同時に、G8サミットというのは、先進国のためだけの会合ではない、発
展途上国も含めた世界各国の発展と平和と安定のための会合です。様々な課
題について、日本としての役割、世界の主要国としての責任をよく考えなが
ら、3日間、集中的に議論してまいります。

 一昨日はインドのムンバイで列車を狙った連続爆破テロがありましたが、
このような卑劣なテロ行為は決して許すことはできません。北朝鮮による拉
致の問題、ミサイルの問題をはじめ、世界の平和と安定を脅かす脅威に対し
ては、世界各国が連携し、協力して闘わなければなりません。日本は、国際
社会の責任ある一員として、サミット参加国はじめ世界各国との連携を強化
して、世界の平和と繁栄のために責任ある行動をとっていきたいと思います。

25 :突然ですが名無しです :2006/07/25(火) 05:05:37 ID:ZxMR9Hdw
● 北朝鮮への国連決議とG8サミット

 小泉純一郎です。

 先週は、イスラエル、パレスチナ、ヨルダン訪問に続き、15日から3日
間、ロシアのサンクトペテルブルクで開かれたG8サミットに出席しました。

 中東訪問中の12日、レバノン南部のヒズボラ勢力によるイスラエル北部
への攻撃があり、イスラエルのオルメルト首相との会談中も、オルメルト首
相に何度もメモが入る緊迫した情勢でした。オルメルト首相には、「イスラ
エルの憤りはわかるが、和平の重要性を十分踏まえて、双方ともに自制の心
を持って対応して欲しい。」と伝えました。

 続いて、13日には、パレスチナ自治区のラマッラに入り、アッバース大
統領と会談。午後には、死海の上空を飛んで、隣国ヨルダンの紅海に面した
アカバという街を訪れ、アブドッラー国王と会談、夕食をともにしました。

 中東情勢は、複雑で、それぞれの国にそれぞれの歴史と立場があり、和平
への道は険しいものがありますが、中東の平和と繁栄を望む思いは関係者の
間で共通しています。

 私は、今回会談した指導者たちに対して、「イスラエルとパレスチナが選
択すべき道は共存共栄しかない。双方ともに和平を真剣に望んでいるが、和
平の合意に近づこうとすると、それを壊そうとする勢力が介入する。中東地
域の和平について、日本は欧米諸国とは違う協力の仕方があると思う。イス
ラエル、パレスチナ、ヨルダン、そして日本の4者が協力して、この地域の
生活基盤の向上などを通じて和平に貢献する『平和と繁栄の回廊』の構想を
進めたい。」と提案しました。

 いずれの指導者からも、こういう緊迫した時期だからこそ、早く4者の協
議を始めたいと、賛同を得られました。中東の平和と繁栄は、世界の平和と
日本の安定につながる大事な問題です。日本としてできる限りの支援をして
いきたいと思います。

 ヨルダンのアブドッラー国王は、自動車の運転がお好きで、夕食会の後、
国王自ら車を運転して、王宮から私の宿泊するホテルまで送って下さいまし
た。ヨルダンでの首脳会談終了後、アカバの北約100キロのところにある
ペトラ遺跡を視察しました。ペトラは、2000年以上前に、アラビア半島
からやってきた遊牧民やベドウィンによって栄えた中継都市。砂漠の中の岩
山に彫られた巨大な神殿があり、映画のインディ・ジョーンズの舞台にもな
ったところです。雄大な風景にしばし時の経つのを忘れました。

 サンクトペテルブルクで開かれたG8サミットでは、15日から17日ま
での3日間、食事の時間も使って、中東情勢と北朝鮮問題、テロの問題、エ
ネルギー問題、感染症やアフリカの問題など様々な課題について、参加各国
首脳と精力的に議論しました。

 現地で会議が始まる前、国連安保理が全会一致で、北朝鮮のミサイル発射
を非難する決議を採択しました。様々な意見の相違がありましたが、それを
乗り越えて、国際社会が一致結束して北朝鮮に対して厳しいメッセージを送
ったことは、極めて重要なことだと思います。

 G8サミットでも、この問題を取り上げ、私は、核の問題、ミサイルの問
題、拉致の問題の解決のために、国際的な連携が必要であるということを主
張し、参加各国首脳の意見の一致をみました。

 北朝鮮はこのメッセージを重く受け止めるべきだと思います。私たちは北
朝鮮との協議の道を閉ざしてはいません。早く6者協議にでてきて、その中
で、北朝鮮の安全保障と北朝鮮のこれからの経済発展を考えるべきだと思い
ます。

 日本は、6者協議のメンバー、そして世界の国々と連携して、北朝鮮が無
謀な行動に走らないように、責任ある、誠意ある対応をとるように、引き続
き粘り強く努力していきたいと思います。

26 :突然ですが名無しです :2006/07/25(火) 05:06:05 ID:ZxMR9Hdw
 G8サミットに出席するのは、今回で6回目。私は、就任以来、国際社会
における日本の責任を果たすこと、そして、日本国民の利益になること、こ
の2つを常に念頭に、外交に取り組んできました。

 いまや、経済においても、農業や漁業など産業においても、あるいは安全
保障においても、医療や感染症の問題においても、国際問題は国内問題と直
結しています。国内にある様々な意見の相違を認識しながら、また、国際社
会でも協力できる分野と対立している問題がある中で、日本が国際社会の中
で主要な責任を果たすことが、ひいては日本の利益につながるのではないか、
そういう思いで外交にあたってまいりました。

 サミット最終日の17日、サンクトペテルブルクにおいて、イラクのサマ
ーワで人道復興支援活動をしていた陸上自衛隊の部隊の撤収が完了したとの
報告を受けました。

 2年半に及ぶ活動の中で、一発の銃弾も撃つこともなく、他人に銃口を向
けることもなく、人道支援、復興支援に取り組むことができ、イラク政府お
よび住民から高い評価を受けながら全員が無事に撤収することができたこと
は、よかったと思います。

 日本国民の善意を実行する部隊だという自覚の下に、厳しい環境の下で支
援活動に取り組み、立派に任務を完遂した陸上自衛隊の隊員諸君に対し、改
めて敬意を表します。

 航空自衛隊の隊員諸君は、引き続き国連および各国と共同して輸送活動に
あたることになっており、イラクへの支援活動は今後とも継続します。

 今回のG8サミットの舞台となったのは、ロシアのプーチン大統領の出身
地、サンクトペテルブルクでした。夕食会では、豆腐の上にアイスクリーム
をのせたデザートが出ました。そういえば、サンクトペテルブルクでは日本
の寿司がブームで、市内には日本食レストランが200軒以上、日本食レス
トランではないのに寿司を出すレストランが400軒以上あるそうです。思
わぬところで、日本食が世界に広まっていることを実感しました。

 夜11時過ぎ、ワーキング・ディナーを終えて、宿舎に帰ってきたとき、
ちょうど、バルト海の水平線に日が沈むところでした。黒い雲と赤い夕焼け、
見事な自然の美しさにしばし見とれました。

 沈み行く夕日を見ながら、引き続き任期いっぱい、日本の発展のために、
世界の平和と安定のために、国際社会の中で主要な責任を果たしていかなけ
ればならないと、決意を新たにしました。

27 :突然ですが名無しです :2006/08/01(火) 01:56:13 ID:iWLvv3Yw
● ドミニカ共和国移住者のご苦労を思って

 小泉純一郎です。

 長野、鹿児島、島根などを中心に例年にない大雨が続き、各地で土砂崩れ
や河川の氾濫などによる被害が出ています。犠牲となられた方々にお悔やみ
を申し上げるとともに、被害にあわれた方々に心からお見舞いを申し上げま
す。

 政府は、関係府省よく連携して、また地域のみなさんとも協力して、被害
の拡大防止と復旧に向けて、しっかりと対応していきたいと思います。

 今週の29日、カリブ海にあるドミニカ共和国で、日本からの移住50周
年記念式典が開かれます。

 昭和30年代前半、政府が進めた移住事業により、夢と希望を胸に、遠く
離れたこの国へはるばる海を渡って入植した日本人は1300人あまり。

 しかし、入植先に関する事前調査や情報提供が適切に行われなかったなど
の事情により、移住先は、石ころだらけの荒地などとても農業ができるよう
な土地ではなく、くわえて移住先の社会の混乱と自然災害の頻発などの不幸
なできごとが重なり、移住者の方々は長年にわたり、私たちの想像を超える
大変な苦労をされました。

 この移住事業についての政府の当時の対応により、移住者の方々に多大の
ご労苦をかけたことについて、政府として率直に反省し、お詫び申し上げま
す。そして、政府は、移住者の方々に対し、そのご努力に報いるためにも、
特別一時金の給付を行うことにしました。

 日本人は、真面目で勤勉、約束を守ると国際社会の中で信頼されています。
これは、気候も違う、言葉も違う、風習も違う、食べ物も違う、そういう海
外の地で現地の人以上に努力している移住者の方々の行動、そして、海外に
出ている企業の方々の活動があるからこそ築かれた信頼だと思います。

 移住者の方々が困難を乗り越え、努力を重ね、日本とドミニカ共和国の友
好関係の発展に寄与してこられたことに深い敬意を表します。これからも、
日本とドミニカ共和国の両国が友好裏に発展していこうという思いのうちに
50周年の記念式典が開かれることになり、本当に良かったと思います。両
国の人々による温かい祝賀となることを期待しています。

 一昨日の火曜日には、アフリカ連合のコナレ委員長と公邸でお会いし、夕
食をともにしました。5月にエチオピアを訪問したときには、コナレ委員長
に野口英世アフリカ賞のアイデアをお話ししましたが、その後どんな賞にす
るのか関係者のお話もうかがって、内容がだいたい固まってきました。

 アフリカでの感染症などの疾病対策のために医学研究、医療活動分野にお
いて顕著な功績を挙げた方を、5年ごとに日本で開かれるアフリカ開発会議
(TICAD)の機会に授与するということで、今週中にも正式に野口英世
アフリカ賞の創設を決定する予定です。

 24日の月曜日、タウンミーティングに出席しました。始めた当初は、政
府主催のタウンミーティングに来てくれる人がいるだろうかと心配したこと
もありましたが、幸い全国でたくさんの方にご参加いただき、5周年記念の
今回で167回目、私自身が出席するのは6回目になります。

 この日も大勢の方々が集まってくださり、少子化、環境問題、多様な機会
のある社会づくりなどについてご質問やご意見をいただきました。

 メルマガやタウンミーティングを通じて寄せられたみなさんのご意見を、
これからも政治に活かしていきたいと思います。

28 :突然ですが名無しです :2006/08/06(日) 17:39:41 ID:W8XF0Yy6
● 戦没者の慰霊

 小泉純一郎です。

 長かった梅雨もようやく明けて、真夏の青空がひろがる季節になりました。

 私は、今年も、8月6日に広島の原爆死没者慰霊式・平和祈念式に、8月
9日には長崎の原爆犠牲者慰霊平和祈念式典に参列します。

 私は、総理大臣に就任以来、毎年必ず、広島と長崎の式典に参列して、原
爆の悲劇を二度と繰り返してはならないという思いで、原爆の犠牲となった
方々に哀悼の意を表明してまいりました。

 そして、毎年6月23日には、衆議院予算委員会に出席のため行けなかっ
た平成15年を除いて沖縄を訪れ、沖縄全戦没者追悼式に参列してまいりま
した。

 戦後60年にあたる平成17年6月には、第二次世界大戦末期、日本側約
2万2000人、アメリカ側約6800人が戦死した硫黄島を訪れ、硫黄島
戦没者追悼式に出席し、あわせてアメリカ側戦死者のための「将兵の碑」に
献花し、激しい戦闘で亡くなった日本とアメリカの兵士たちを追悼しました。

 私は、平成13年の4月、総理大臣に就任したときの記者会見で、「戦後
日本が平和で発展していくために、一番大事なことは、あの第二次世界大戦
の反省をすることだと、その上に立ってこれからの日本が二度と戦争をして
はいけない、平和のうちにいかに国民の努力によって立派な国づくりに励む
ことができるか、このことはこれからの日本の方針としても、極めて重要で
あると思っています。」と述べました。

 日本は、戦後一度も戦争に参加せず、また巻き込まれることもなく、平和
を維持してきました。日本の今日の平和と繁栄は、戦争で命を落とした方々
の尊い犠牲の上に築かれています。私は、戦没者の方々に対して、敬意と感
謝の思いを込めて、哀悼の誠を捧げております。

 戦争で亡くなった方々を追悼するというのは、どこの国でも誰であっても、
自然なことだと思います。

 日本国憲法第19条では、「思想及び良心の自由は、これを侵してはなら
ない。」としています。戦争で亡くなった方々に対して、どのようなかたち
で哀悼の誠を捧げるのか、これは、個人の自由だと思います。

 私は、総理大臣就任以来、心ならずも戦争で命を落とさざるを得なかった
方々へ哀悼の誠を捧げるために、毎年一度靖国神社に参拝しています。

 これは、私の思いに基づくもので、私は、靖国神社の参拝を誰にも強制し
ていません。また強制されて参拝しているものでもありません。

29 :突然ですが名無しです :2006/08/06(日) 17:40:15 ID:W8XF0Yy6
 マスコミや有識者といわれる人々の中に、私の靖国参拝を批判している人
がいることは知っております。また、一部の国が私の靖国参拝を批判してい
ることも知っています。

 私を批判するマスコミや識者の人々の意見を突き詰めていくと、中国が反
対しているから靖国参拝はやめた方がいい、中国の嫌がることはしない方が
いいということになるように思えてなりません。

 そういうマスコミや識者の方々は、思想及び良心の自由をどう捉えている
のでしょうか。戦没者に対して、敬意と感謝の気持ちを表わすことはよいこ
となのでしょうか、悪いことなのでしょうか。

 私は、日中友好論者です。平成14年4月、中国のボアオで開かれた国際
会議でも、「中国の経済発展を『脅威』と見る向きがありますが、私はそう
は考えません。私は、むしろ、中国のダイナミックな経済発展が日本にとっ
ても『挑戦』、『好機』であると考えています。中国の経済成長に伴う市場
の拡大は、競争を刺激し、世界に大きな経済機会を与えることでしょう。」
と述べて、日本と中国の友好関係の一層の発展と、両国が交流によって繁栄
していくことを望んでいることを明らかにしました。

 現に、私が総理大臣に就任した平成13年以来、日本と中国の貿易額は、
2倍以上に増加し、いまや中国は、アメリカを抜いて、日本にとって最大の
貿易相手国になりました。日本と中国の間の人の行き来も、約1.5倍に増
えています。

 私は、いつでも中国の首脳と会う用意があります。ところが、中国は、平
成17年4月にインドネシアで胡錦濤主席と会談したのを最後に、私が靖国
神社に参拝するなら日中首脳会談を行わないと言っています。

 私は、こういう考え方は理解できません。もし、私が、ある国と私の考え
が違う、あるいは日本の考えと違うからといって首脳会談を行わないと言っ
たら、相手を批判しますか、それとも私を批判しますか。おそらく多くの国
民は私を批判するでしょう。

 二度と悲惨な戦争を起こしてはならない、そして、今日の日本の平和と繁
栄は、戦没者の方々の尊い犠牲の上に築かれている、この思いは、私の政治
家としての原点でもあります。私は、この思いを抱きつつ、今年も広島と長
崎の式典に参列し、そして8月15日の全国戦没者追悼式に参列します。

30 :突然ですが名無しです :2006/08/12(土) 01:43:35 ID:KQx7DPak
● 歴史探訪

 小泉純一郎です。

 先週、山口県を訪問し、幕末の偉大な変革者、吉田松陰と高杉晋作ゆかり
の史跡を視察しました。

 私は、吉田松陰と高杉晋作の生き方、志、そしてその言葉に感銘を受け、
大きな関心を持ち、また、尊敬の念を抱いています。

 吉田松陰の言葉は、演説などで何度も引用させてもらいながら、今まで一
度もお墓参りをしたことがない、ゆかりの史跡も訪れたことがないことは申
し訳ないと常々思っておりましたので、今回、駆け足でしたが、視察できて、
改めてその偉業に感銘を受けました。

 吉田松陰が教えを説いた「松下村塾」、見聞をひろめようと密航を企てて
投獄された「野山獄(のやまごく)」、誕生の地と墓地など、いずれも綺麗
に手入れがされていて、今もなお地元の人たちの尊敬を集めていることが感
じられました。

 高杉晋作が身分に関係なく組織した奇兵隊。わずか80名あまりを率いて
挙兵したのが功山寺。その数はあっという間に増えて、倒幕・明治維新の先
駆けとなりました。数え年29歳で病に倒れた高杉晋作を弔うために晋作の
愛人「おうの」が結んだ庵(いおり)が東行庵(とうぎょうあん)。その裏
手にある清水山(しみずやま)に高杉晋作は眠っています。

 お墓のそばには、「動けば雷電のごとく、発すれば風雨のごとし」と伊藤
博文が高杉晋作をたたえた墓碑が建てられていました。高杉晋作の人生は、
戦いの連続でした。同じ長州藩の主流派、反主流派の戦い、次には長州藩と
幕府の戦い。最初から勝つという見込みはなかったと思います。そして、い
ざ倒幕が実現するという矢先に病に倒れました。

 「おもしろき こともなき世を おもしろく」と辞世の句を遺した高杉晋
作。数えで29歳といえば、今でいう27歳です。生きているうちは毀誉褒
貶(きよほうへん)相半ばするような、同じ時代の人にはなかなか理解され
ない、そういう人生だったんだろうと思います。短い生涯でよくあれだけの
偉業をなし遂げたと思います。

31 :突然ですが名無しです :2006/08/12(土) 01:44:28 ID:KQx7DPak
 「身はたとひ 武蔵の野辺に朽ちぬとも 留め置かまし 大和魂」と詠ん
だのは江戸の伝馬町で刑死した吉田松陰。彼が松下村塾で教えていたのはわ
ずかに1年あまり。8畳一間ほどの小さな私塾から、久坂玄瑞、高杉晋作、
伊藤博文、山県有朋、山田顕義、品川弥二郎など、幕末、明治維新に活躍し
た多くの人材を輩出しました。

 吉田松陰がこの世を去ったのは、数え年で若干30歳、今の年齢でいえば
29歳。短い生涯でありながら、時代の変革者というものは、想像を絶する
ような熱い志を持って、苦労を重ねてきたことがよくわかりました。

 このほか、山口市内の500年以上前に雪舟が築いたといわれる見事な庭
園のある常栄寺、五重塔で有名な瑠璃光寺、広々とした丘陵地にごつごつと
した石灰岩が立ち並ぶ秋吉台、幻想的で神秘的な鍾乳洞の秋芳洞などを視察
しました。日本の魅力をたくさん発見した2日間でした。

 8月6日は、広島の原爆死没者慰霊式・平和祈念式、昨日9日は、長崎の
原爆犠牲者慰霊平和祈念式典に出席し、犠牲者への哀悼と平和への祈りを捧
げました。

 先週のメルマガでお伝えした私の平和に対する思いには、たくさんのご意
見をいただきました。今日の日本の平和と繁栄は、心ならずも戦争で命を落
とした方々の尊い犠牲の上に築かれていることを、私は決して忘れません。

 今日は朝早く、モンゴルの首都ウランバートルに向けて出発します。モン
ゴルは、今年は、チンギス・ハーンが即位してから800周年にあたります。

 日本の大相撲では横綱朝青龍、大関白鵬をはじめ35人のモンゴル出身力
士が活躍していますが、モンゴル国内では十両以上のすべての取組を毎日テ
レビで生中継するほど、日本の相撲は人気が高いそうです。

 モンゴルの世論調査では、日本は「好きな国」「行きたい国」「親しくす
べき国」の全てで高位を占め、7割以上の人が日本に親しみを感じているそ
うです。

 日本の小学校の教科書には、「スーホの白い馬」というモンゴルの民話が
載せられています。今年の3月に東京でエンフボルド首相とお会いした際に
「モンゴルの小学校の教科書にも日本の民話を載せたいが、どういう話を載
せたらよいかアドバイスして欲しい」という話があったので、今回のモンゴ
ル訪問の際に、「かさこじぞう」と「鶴の恩返し」がよいのではないかとお
話しするつもりです。

 1泊2日の短い日程ですが、エンフボルド首相とエンフバヤル大統領にモ
ンゴル建国800周年への日本からの祝意をお伝えするとともに、日本とモ
ンゴルの友好関係と協力関係をますます発展させることについて話し合って
きたいと思います。

32 :突然ですが名無しです :2006/09/09(土) 22:15:46 ID:QoSnTB0w
● 親王殿下ご誕生を祝して

 小泉純一郎です。

 親王殿下のご誕生を心からお祝い申し上げます。

 秋篠宮妃殿下、親王殿下、母子ともにご健康という知らせ受け、「よかっ
たですね。」といううれしい気持ちでいっぱいになりました。明るい知らせ
に、国全体がなごやかな雰囲気に包まれたことと思います。

 喜びを国民のみなさんと分かち合い、親王殿下のお健やかなご成長をお祈
り申し上げます。

* * * * * * * * * *

 9月に入り、日中の日差しは相変わらず厳しいですが、朝晩は涼しさが感
じられるようになりました。

 1日の「防災の日」には、早朝、東京湾を震源にマグニチュード7.3の
地震が発生したとの想定で防災訓練を行いました。

 直ちに全閣僚が官邸に集合、緊急災害対策本部を設置しました。石原東京
都知事もテレビ会議に参加して、首都中枢機能、経済中枢機能の被害の確認
や復旧策について協議し、午後には、降りしきる雨の中、荒川河川敷で、8
都県市による水路輸送訓練や救護訓練などが行われました。

 総理大臣として防災訓練に参加するのは6回目。本番さながらの訓練で、
参加者のみなさんの緊張感のある機敏な動きを見て、頼もしく感じました。

 「備えあれば憂いなし。」いつもこの気持ちを忘れずに、災害に備えてい
きたいと思います。

 先週土曜日東京のお台場で開かれた「アフリカン・フェア」の開会式に出
席しました。このイベントは、アフリカの国々の特産品を発掘、改良して紹
介する「一村一品」運動の一環として開かれたもの。色鮮やかな織り布や木
工細工、コーヒーやシアバターという植物油を使った石けんなど、とても魅
力的な品々がたくさんならんでいました。となりでは、アフリカの布を使っ
たファッション展も開かれていました。

 私は、5月にエチオピアとガーナを歴訪しましたが、エチオピア産のコー
ヒーはイエメンのモカという港から出荷されていたので、モカ・コーヒーと
呼ばれていたということをそのとき初めて知りました。それ以来、官邸でも
時々エチオピア・コーヒーを楽しんでいます。

 ガーナで泊まったホテルには、木彫りの人のかたちをした電気スタンドが
床においてあり、素晴らしいデザインだなと思っていたところ、先日ガーナ
の大使が持ってきて下さったので、官邸の部屋に飾ってあります。

 アフリカには私たちの知らない素晴らしいものがたくさんあります。いい
品物をつくって、日本でも売れるように努力してもらうことによって、国づ
くりにも役立てていただき、日本とアフリカがより友好的な関係を築いてい
けるようになれば素晴らしいと思います。

 今週号には、アフリカ連合のコナレ委員長から寄稿していただきました。
アフリカは、紛争、貧困、伝染病などに苦しみ、国際社会の暖かい手を必要
としています。日本の支援、日本の思いがアフリカの人たちにもっと届くよ
うに、アフリカの国々が自らの力で発展できる力を養えるように、これから
も協力をしていきたいと思います。

 今日は午後からアジア欧州会合(ASEM)に出席するため、フィンラン
ドに出発します。アジアと欧州の地域を越えた対話と協力の場として始まっ
たこの会議は設立10周年を迎えます。38カ国の首脳が参加する今回の会
議の中で、国際社会の責任ある一員として、政治、経済、文化など様々な分
野について、世界のリーダーたちと話し合ってまいります。

 フィンランドといえばフィンランディアを作曲したシベリウスを思い出し
ます。シベリウスの音楽が生まれた雰囲気に触れるのも楽しみのひとつです。

33 :突然ですが名無しです :2006/09/21(木) 22:17:55 ID:Qwzns3yc
● フィンランド訪問

 小泉純一郎です。

 先週後半から今週火曜日(12日)までフィンランドを訪れ、首都ヘルシ
ンキで開かれたアジア欧州会合(ASEM)に出席しました。

 アジアとヨーロッパの対話と協力を目指して始まったこの会議は、今年で
10年目。アジアからは日中韓とASEANの13カ国、ヨーロッパからは
EU加盟25カ国と欧州委員会、合計38カ国と1つの国際機関のリーダー
たちが一堂に顔をそろえました。

 日曜日(10日)の昼過ぎから始まった会議の冒頭、私から、テロや核の
不拡散、海賊などの国際的な広がりをもつ非人道的な問題に対して、国際社
会が一致して取り組むことが必要であると訴えました。

 北朝鮮による拉致の問題についても、国際社会が協力して取り組まなけれ
ばならない重大な問題であることを強く主張しました。

 その日の夕食と翌日の昼食の時間を含め、月曜日(11日)の夕方まで、
異なる文化・宗教間の対話、エネルギーと環境問題、経済問題と科学技術政
策など幅広い話題について、二日間、熱心な議論が続きました。

 会議の合間をぬって、スペインのサパテロ首相、ベトナムのズン首相と個
別に会談。会議前日の土曜日(9日)には、フィリピンのアロヨ大統領と、
貿易の自由化や外国人労働者の受け入れなどを内容とする日本とフィリピン
との間の経済連携協定(EPA)に署名しました。

 会議の参加者は、これまで何度もお会いしたことがある首脳がほとんどで
したから、フランスのシラク大統領、タイのタクシン首相、マレーシアのア
ブドゥラ首相始めたくさんの方々と、立ち話ではありましたが、たのしい会
話をすることができました。

 EU議長国で本会合のホスト役を務めたフィンランドのヴァンハネン首相
とハロネン大統領には、ヘルシンキに到着して最初にお会いしました。

 フィンランドは、サンタクロースとムーミンの国、最近では携帯電話など
のハイテク産業が盛んなことで有名ですが、私にとっては、大好きな作曲家
シベリウスの母国として格別な感慨があります。

 ヴァンハネン首相は、私との会談の後、ヘルシンキ郊外にある、シベリウ
スが過ごし、数々の名曲を作曲した邸宅「アイノラ」を、自ら案内してくだ
さいました。

 「アイノラ」では、地元の若い弦楽四重奏団の演奏がありました。シベリ
ウスといえば、フィンランディアがフィンランドの第2の国歌として有名で
すが、シンフォニーも1番から7番まであり、全部持っています。バイオリ
ン協奏曲もよく聴きます。

 ヴァンハネン首相から、「あなたはフィンランドの人よりもシベリウスに
詳しい。」と言われましたが、この弦楽四重奏曲は初めて耳にする曲。思い
がけず好きな作曲家の新しい曲を聴くことができて、とてもうれしいひとと
きでした。

 静かな森の中にたたずむシベリウスの家の前に立って、「こういう雰囲気
の中で、数々の名曲が生まれたのか。」と、しばしゆったりとした気持ちに
なりました。

 ヘルシンキには、市内に多数の核シェルターがあることを知り、お願いし
て見せてもらいました。地下50メートルにある司令室では、24時間体制
で危機管理に備え、56カ所のシェルターや民間の施設を含め80万人分の
避難施設があるそうです。道路からトンネルにもぐるとそこには巨大な空間
がひろがり、普段は、スポーツ施設などに使われていました。

 「備えあれば憂いなし」と言いますが、これほどの「備え」にはさすがに
驚きました。危機管理に向けて見習うべきことはたくさんあるものだとの思
いを強くしました。

 土曜日(9日)の朝には、冷たい小雨がふるなか、フィンランド湾の入り
江に浮かぶスオメンリンナ島を視察しました。18世紀に建てられた城塞は、
世界遺産になっています。

 風雪に耐えてきた城塞の中に、裏千家の茶室がしつらえてあり、和服を着
たフィンランドの男性がたてたお茶を楽しむことができました。

 城壁からこぼれ落ちたのでしょうか、小石を1つひろいました。お許しを
えて、お土産にもち帰りました。普通の人にはただの石コロかもしれません
が、私の最後の外遊の地フィンランドの世界遺産でひろったこの石は、私に
とって思い出深い「宝石」になりました。

34 :突然ですが名無しです :2006/09/21(木) 22:18:36 ID:Qwzns3yc
● 5年間ありがとうございました

 小泉純一郎です。

 5年前の6月から始まったこの小泉内閣メールマガジンも、今週が最後に
なります。

 就任以来、毎日、総理大臣の職責をいかに果たしていくかを考えながら、

「天の将(まさ)に 大任(たいにん)をこの人にくださんとするや
     必ずまずその心志(しんし)を苦しめ、その筋骨を労せしむ。」

という孟子の言葉を胸に、全力投球してきました。

 話し合ったり、相談したり、専門家の知恵を借りたりすることは必要です
が、重要な決断は一人でしなければなりません。時には、友情や好みを捨て
て非情にならなければならないときもあります。

 24時間公人として、何かあったらいつでもすぐに対応できるように、5
年間精一杯努力してきました。

 この間、メルマガ読者のみなさんをはじめ多くの国民から、あるときは厳
しいご批判を、あるときは暖かい激励をいただきました。みなさんからの声
がどんなに励みになったかわかりません。

 就任直後の所信表明演説で、私は「わたしに課せられた最重要課題は、経
済を立て直し、自信と誇りに満ちた日本社会を築くことです。同時に、地球
社会の一員として、日本が建設的な責任を果たしていくことです。」と訴え
ました。

 民間や地域の方々が「痛みに耐えて」改革に取り組んだおかげで、日本経
済も回復軌道にのり、人々は自信を取り戻しはじめたと思います。日本政府
は、日米同盟と国際協調を外交の基本に、国際社会の責任ある一員として世
界の平和と安定のために努力してまいりました。

 一人の平凡な人間がここまでやってこられたのは、多くのみなさんのご支
援、ご協力があったからこそです。

 徳のある人は才能がない、才能ある者は徳がない、といわれますが、私は
自分では気の弱い普通の常識人だと思っています。

 ただ、いつも何かに守られている、運がいいな、と思いながら、何とか頑
張ってきました。

 昨日、安倍晋三さんが自民党の新しい総裁に選ばれました。安倍さんは、
メルマガの初代編集長。小泉内閣の官房副長官、自民党幹事長、幹事長代理、
そして官房長官として、ずっと改革を支えてくれた、気心の知れた方です。

 26日に新しい総理大臣が選ばれる予定です。私は、総理を退いた後は一
国会議員として、新総理を控えめに支えていこうと思っています。

 現在の私の心境を短歌に託してみました。

 「ありがとう 支えてくれて ありがとう
             激励 協力 只々感謝」

 メルマガ愛読者、そして国民のみなさん、5年間ありがとうございました。

35 :突然ですが名無しです :2007/02/23(金) 15:27:27 ID:OVBEfH1U


36 :あぼーん :あぼーん
あぼーん

37 :あぼーん :あぼーん
あぼーん

38 :あぼーん :あぼーん
あぼーん

39 :あぼーん :あぼーん
あぼーん

40 :あぼーん :あぼーん
あぼーん

41 :ik0x0pgl2p :2007/10/20(土) 19:10:20 ID:???
1ojx8botc veczdz50uzso4q1g mc0evv9dvxn

42 :qwz0dfu3p2 :2007/11/14(水) 11:52:54 ID:???
3kbedjs9wggd8se4 cddib05htm dd314ilwwp4bk

43 :o43i351t9f :2007/11/24(土) 02:17:02 ID:???
jt7ehhzm6fhge gee7gsv1b oeio6eud

44 :1rtb4a75sr :2007/11/30(金) 13:02:19 ID:???
nllokam0nzdzcf9f vxsovy4pk ycgs2zyn

45 :gsl0if062n :2007/12/01(土) 22:01:18 ID:???
c8106iwzgj0k xvg1zddp8tq08r 15p9p4hie4ram

46 :ttfxs4wbg2 :2007/12/03(月) 02:25:51 ID:???
w0xlume0ya5ay 91ccrm263hip gfhaj23fk09t62

47 :8v32b7szg8 :2007/12/06(木) 10:59:26 ID:???
wy24fqodm7kwds3 r9sk6dq7dwf w7mh7crkei

48 :突然ですが名無しです :2009/03/02(月) 09:42:48 ID:???
首相が変わりすぎですぅ

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